先日、施術にいらした患者さんが九州旅行に行かれたとのことで、旅の話を伺いました。目的地の一つが鹿児島県南九州市にある「知覧特攻平和会館」だったと聞き、思わず私は「私も一度は行ってみたい場所なんです」と声を上げてしまいました。
知覧特攻平和会館は、太平洋戦争末期に陸軍特別攻撃隊として出撃していった若者たちの遺品や手紙を展示している施設です。知覧は、特攻隊の出撃拠点として知られています。彼らの多くはまだ十代後半から二十代前半。ごく普通の青年たちが、命をかけて“日本を守る”という使命のもと、帰らぬ空へと飛び立っていったのです。
患者さんは「展示されている手紙を読んで涙が止まらなかった」とおっしゃっていました。「死ぬことが怖くないわけではない。でも、残された家族が悲しまないように、精一杯の強さを手紙に込めていた」と。まさに“平和の尊さ”を、心で理解できる場所だったと感想を語ってくださいました。
現代の私たちは、当たり前に平和な日常を送っていますが、その裏には数えきれない命の犠牲と、それに込められた想いがあることを忘れてはいけません。国家や戦争の是非を超えて、一人ひとりの人生の重みを感じられる場所、それが知覧なのだと思います。
私自身も、このお話を聞いてから、改めて知覧に足を運び、自分の目でその空気と記録を感じたいと思いました。日本人として、一度は訪れるべき場所。いや、きっと“行かねばならない場所”なのかもしれません。
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